2005年03月26日

権利と権力

これらについて少し考えたい。まずは検索である。

けん‐り【権利】
1 ある物事を自分の意志によって自由に行ったり、他人に要求したりすることのできる資格・能力。「邪魔する―は誰にもない」「当然の―」「―を主張する」義務。
2 一定の利益を自分のために主張し、また、これを享受することができる法律上の能力。私権と公権とに分かれる。「店の―を譲る」義務。
3 権勢と利益。
[類語] (1 )資格・権限・権能・権益・特権・特典/(2 )私権・公権・人権
(大辞泉)

もう一つ
1 〔法〕〔right〕アある利益を主張し、これを享受することのできる資格。社会的・道徳的正当性に裏づけられ、法律によって一定の主体、特に人に賦与される資格。
「生きる―」「―をおかす」
イ 何らかの原理や存在によって一定の主体に賦与される、ある行為をなし、またはなさぬことができる能力・資格。
⇔義務
2 権力とそれに伴う利益。
(大辞林)


次は権力。
けん‐りょく【権力】
他人を強制し服従させる力。特に国家や政府などがもつ、国民に対する強制力。「―を振るう」「―者」
(大辞泉)

他人を支配し従わせる力。特に国家や政府が国民に対して持っている強制力。
「―を失う」「―の座にすわる」「―者」
(大辞林)
このようになっているが、しかしここでは幾つか追記したい。
権利にはまず、何らかの形で付与されているという側面がある。辞書の説明には能力という語が登場するが、同時に資格という言葉が付随してくる。

ついでに資格についても引用しておく
し‐かく【資格】
1 あることを行うのに必要な、また、ふさわしい地位や立場。「理事の―で出席する」
2 あることを行うために必要とされる条件。「税理士の―を取る」
(大辞泉)


これらの説明からは権利の特殊性が見える。つまり特権としての権利である。しかし私が注目したいのはこの特定の条件、特定の資格における平等性である。権利はある種の能力を要求することはあるものの、その能力に比例する形で付与されているのではないということである。

例えば運転免許を持つものには運転する資格があり、またその権利を行使していることにもなろうが、それは免許取得に必要な最低限の能力を問うているだけであり、それ以上の能力があったからといってそれ以上の権利は付与されない。豆腐屋の倅といえども、公道でドリフトとかしてはいけないのである。

もっと極端な例を挙げよう。例えば生まれながらに障害を抱え、生活に、いやそれどころか生存すら困難な人も居るだろう。彼には単独での生存能力は無いはずであるが、しかし生きる権利はそういった人々にも平等に与えられるべきであるという点に異論はないだろう。ここで判明するのは、生きる権利において身体的能力も財力も問われていないということである。かの人がただ人間であるということ、あるいはせいぜいが国民であることくらいがその権利を裏付ける資格であるということになろう。

この能力を問わない平等性がしばしば重要になることは権利で検索しても見て取れる。子供の権利や動物の権利、障害者の権利など単純に力の論理でいえば弱い立場の人の権利が問題となる。彼等に力はない。しかし権利はあるということである。

これは同時に能力と無関係に権利が奪われる可能性も意味する。女性の権利はこの代表であろう。単純な膂力はともかく女性には基本的に男性と変わらない能力があるはずである。しかしさまざまな権利が認められてこなかった歴史については枚挙に暇が無いところである。

では権力とは何であろうか。特に国家や政府が持つというが、それらに限らず、侵害されないような強い力の直接の行使という側面を持つと思われる。

権力と権利とはしばしば対立するであろう。これは、権力が力の直接の行使であるのに対し、権利はある人が自己の能力をより強い力(暴力、財力、権力など)によって妨げられることなく行使しうる資格という側面を持つからである。

しかしこの権利を保障するのもやはり権力であると思われる。権力が「ある能力の行使に介入しないし、介入させない」という保障をしてこそ権利は行使しうる。権利には侵害されない保障をする力が不可欠である。

権利において公平性と平等性は重要である。なぜならそれを保障する力は権利者当人にあるわけではないからである。一方で権力は力の直接の行使である。ゆえに不平等不公平に行使し得る。権力が問題になるのもそういった局面であろう。
posted by князь Мышкин at 01:25| ブリスベン ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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