2005年04月19日

有害の定義

今回はこちらのブログで取り上げられている有害図書について考えてみたい。

一応私の立場を明確にしておくと、ゾーニングや包装は今より明確にして構わないと思っている。昔からビニ本なるものは存在したが、あまりに露骨な性描写のある雑誌を何の包装もなしにコンビニで販売する現状には若干の違和感は覚える。引き換えにゾーニングの範囲内での性表現規制の緩和も視野に入れて構わないとも思っている。

しかしながら、リンク先の論調にも色々の違和感はある。まずは4月14日の記事とコメントを見てみたい。

当日の記事の概要は「コンビニでもアダルト誌を販売しているのは日本くらいで対策が遅れている」というものである。(参考サイト)この記事には問題点があるが、コメントの中に問題を加速するものが存在すると思われた。

まず第一には調査対象国が少なすぎる点である。これについてはコメントにおいて老婆心氏が指摘している。それに対する反論をするBRUC05氏のコメントにちと問題がある。
>>ヨーロッパはドイツのみで、この手の調査で北欧が入ってないなんて考えられません。
それなら「北欧が入ったこの手の調査」というやつを教えてくれませんか。

言わんとしたところがやや伝わっていないようである。問題であるのは調査国が少ないということであるし、こういう場合別の調査結果による反駁は別の主張をする為には必要でも、相手の主張が正当とは言い切れないという批判の段階では不要であろう。この場合北欧が入ったこの手の調査結果を示す必要があるのは有害図書撲滅氏側である。(ここでは本当は数十カ国調査した上で都合の良い十国だけ抽出したのではないかという邪推は省略する)

続いてこれである
まあ、価値がない記事と捉えるならそれもよし。しかし躍起になってつぶしにかかっている人がいるところを見ると、満更そうとも言えないんじゃないかなあ。ほんとに価値がないならほっとけばいいわけで

なにやら既視感のある論調である。
反論が無い→痛いところを突かれた
反論がある→痛いところを突かれた
どちらにせよ同じ結論が用意できてしまう。こういう論調は可能な限り避けておきたい。

更にはこうくる
とあるところから、小生は「外国のアダルト誌=無修正」ではないと見ます。無修正なら「性器の露出」に言及があるはずです

さて。この方は日本の常識に囚われている。性器には原則としてモザイクがかかるという常識である。性表現については国ごとに規制はまちまちで、最も厳しいのはイスラム圏であろうか。女性の水着写真あたりでも規制対象であったりする。逆に表現の自由に関わるので、ゾーニングと引き換えに規制の少ない国家もあるということになる。このあたりの経緯があまり考慮されていない。

ところでどうして日本にはモザイクという珍妙な文化が生まれたのであろうか。そのあたりを考えると日本でのゾーニングの遅れの理由も見えてくるのではなかろうか。調査するのが面倒なのでそれについて私見を述べてみたい。

ことの起こりは戦後間もなくのマッカーサー元帥のご意見が関わっているようである。その関係で制定されたのが「刑法175条」であるようだ。
猥褻の文書、図画その他の物を頒布もしくは販売しまたは公然これを陳列したるものは2年以下の懲役または250万円以下の罰金もしくは科料に処す。販売の目的をもってこれを所持したるものもまた同じ

そして猥褻の基準が性器の露出であるというわけである。それゆえモザイクで隠す。ということになる。

ここで条文をよく読んで欲しい。猥褻なものは全て刑法175条によって規制されているのである。これが意味するのは何か?日本には猥褻図画なぞ存在しないということである。猥褻図画の全面禁止を目論んだ、先のイスラム圏並に厳しい法規制が存在する国。それが日本である。

しかしその猥褻の基準が問題になるのである。性器の露出さえなければ猥褻にはならないという非常に緩やかな猥褻基準を設けてしまった(段階的に規制するでもなく、一律に猥褻とそうでないものとに切り分けることの弊害か)のである。これが一般書店、コンビニで有害(笑)図書が並ぶのに無修正画像なるものが存在できない理由であるという仮説をでっちあげておきたい。

さて、次回はその猥褻あるいは有害(笑)の基準について考えてみたいが、まあいつになるかわからない。
posted by князь Мышкин at 00:28| マイアミ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | トラックバック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/2981159

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。