2005年05月31日

当事者で解決する

ネット上でのトレーサビリティを向上させようという理由に「当事者間で紛争解決ができる」という利便性を求める向きもあるようだ。

しかし、である。解決すべき紛争とは何であろうか。瑣末な諍いの為に個人を追跡される謂れはないだろう。

では、名誉毀損や脅迫といった法に触れる書き込みに対処する為に「当事者間で紛争を解決」するのが望ましいということだろうか。これは一見ありそうな話だが、実は致命的な問題がある。自力救済の禁止に該当する疑いがあるからである。

自力救済の禁止とは、代表的なところでは不動産賃貸において借主が逃げたりした時、残された家財道具等を大家が勝手に処分してはならないという例がある。この場合、借主から所有権を放棄する旨一筆もらうか、法的手続きが必要となる。

同様のことは、ネットワークにおける様々な問題においても現れてくるようなのだが、ネットにおける自力救済の有効範囲は互いが法に抵触しない、又は訴える予定が無い範囲内ということになろうか。ひとたび法を持ち出すとなれば、そこからは司法に委ね、自力救済は慎まねばならなくなるだろう。

つまり、ネットにおいて一般ユーザーにもトレース可能にするということは、名誉毀損等に至らない瑣末な紛争解決の手段として、ということになるのではないかと思われるのである。

そのような状況でも互いにトレーサビリティを確保してゆくことが紛争解決に必要であり、場合によって強力なID管理もあり得るという意見も(リンク先にも)出てきている。が、私はそのような介入はおおむね無意味ではないかと考えている。その理由は次回に。
posted by князь Мышкин at 00:57| クアラルンプール ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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