2005年06月04日

名誉毀損の成立

どれくらいの誹謗が名誉毀損にあたるのか、いくつか探してみた。

たとえばこの名誉毀損の法律相談によると、単なる悪口でも、度が過ぎれば名誉毀損として訴えることが可能になるとされる。

また、同じような発言でも名誉毀損にあたらない場合もある。こちらのサイトでは名誉毀損の訴えが全面的に棄却されたという報告があるが、以下のような記述がある
 2004年1月26日判決。「彼」の請求はすべて棄却されました。要するに、「彼」が拾い出した私の表現は、名誉毀損性を有するけれども、「彼」の常軌を逸したふるまいに照らせば、なんら違法性はない(よって賠償の要はない)という、ごく常識的なものでした。
 たとえるなら、AがウソをついてBをおとしめたという事実があって、Bが「Aはウソつきだ」と防御した場合、「ウソつき」という表現自体は名誉毀損性があるけれども、なんら違法性はない、ということですか。


これは…ネット上の多くのフレーミングにおいて名誉毀損が成立しない可能性を意味するのではなかろうか。一方が他方の名誉を毀損するような発言をしていても、しかしそれに相当する理由が相手方にある、という関係が双方向に成立しているはずだからである。相手の誹謗には、誹謗で応ずるか、正当な訴えを起こすかのいずれかを選択しなければならないと前回も言ったが、法的にもおおむね妥当することになろう。罵声に罵声を返した時点で訴える資格を事実上失うといったところである。


また、名誉毀損は刑事訴訟もあるにはあるが、基本は民事ということになろう。その場合弁護士に依頼すると費用をまかなうのがぎりぎりくらいの賠償額しかおりないという問題がある。信頼度が高いメディアでの毀損ですらそうなのであるから、近年は増額傾向にあるにせよネット上で個人によってなされる毀損の場合におりる賠償額はどうしても微々たるものになりがちだろう。(これは個人の力による毀損はその質と量、とりわけネットでの発信である関係上、情報の質の低さゆえに、結果として名誉毀損において毀損される名誉も小さいとみなされやすいと考えられるからである)

ネット上での名誉毀損についての記述もある
これによるとかなりの賠償額が認められているが、この場合訴えられたのは掲示板管理者であり、その理由も「名誉毀損にあたる発言を削除しなかった」というものであった。ここからは解釈が分かれるところだが、名誉毀損にあたるような発言も(所詮はネットにおける雑音なので)速やかに削除すれば名誉の回復に十分であるという捉え方もできるのではなかろうか。

ネットによる侮辱・名誉毀損に関する判例集というのもある。
1 第三者が閲覧可能な通信サービスにおいて,その会員が他の会員と匿名で通信を行い,侮辱された場合について,上記会員が必要かつ十分な反論をし,十分な効果を挙げていると認められるような場合には,社会的評価が低下する危険性が認められず,名誉ないし名誉感情毀損は成立しないとして,通信サービスの管理運営業者の不法行為が否定された事例

というものもあり、相手に応じた場合は不法行為が成立しにくいということがここにも見て取れる。

気になるのは次のネット上の名誉毀損に関する反例と解釈における論理である。
そもそも名誉毀損を裁判所に訴える、というのはそうした「失われた【社会的名誉】を回復するチャンスを与える(刑)」「名誉が失われたことで【実生活の金銭・物品に出た損害】を取り戻す(民)」という目的のために行われるものだ。

つまり、匿名掲示板の片隅で認知するのが難しい形で誰かの実名を名指しして誹謗中傷するならともかく(2ちゃんねる裁判の例)、自力で名誉の回復を図れる(コメントのコントロール、コメント封鎖、並びに反論)ブログの場合、オーサが実名の一方、コメンテーターが匿名であってもさほど問題が無いと結論できるのではなかろうか。


雑然と検索で掛かったサイトを紹介してきたが、およそ実名ブログにおけるコメントスクラム(コメントラッシュ)なる現象については最後に紹介したものを筆頭に、「自力での名誉回復が図れる」ことから、名誉毀損の成立は難しいといえるのではなかろうか。訴えが通りやすいのは巨大匿名掲示板のような場所に、誰かの実名を名指しして誹謗中傷の書き込みがなされた場合であろうが、これについては訴えられる側も掲示板管理人でその管理不十分であることについてであるので、いわゆるブログの場合とはかなり状況が異なるだろう。
posted by князь Мышкин at 00:54| クアラルンプール ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | 一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
写メールから素人の相手を選んでプレイするお仕事。(*´д`)ノ☆ http://www.fgn.asia/
Posted by 恵里佳 at 2012年07月12日 07:48
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/4086532

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。