2005年08月13日

いつもの観察日記

今回も小倉氏のエントリを見ていく。

「ネット右翼」発言は証明不能であるとして小倉氏自身によりコメント欄ですみやかに撤回されているので注意していただきたい。
まず、小倉氏も撤回したのであるが、当初のエントリにおけるネット右翼のコメントラッシュによって若隠居氏のブログが閉鎖されたという件を考えてみたい。これは、ネット右翼の定義如何によっては証明可能である。「ネット右翼かどうかの認定権は私(オーサ)にあり、若隠居氏のブログにコメントを寄せていたのは確かにネット右翼であった」と主張するであるとか、あるいはそんな独善的にゆかなくても「およそネットでのフレーミングを引き起こす存在のことをネット右翼と呼ぶ。ただしこれは右翼思想とは無関係であり、”右翼”という呼称は偶然の一致程度のものである」としてしまえば、フレーミングに参加した人はすべからくネット右翼だと括るのは容易である。

リンク先で出た北田氏の定義なるものと照らしてみても同様である。
中高年層に代表される守旧的な保守主義とは違うものであり
「無謬の正義の立場」に立っているかのような語り口を拒絶する、そのように見えるだけで×という意味での形式主義的・否定神学的な、「反サヨク」「反シミン」的感性と
「あえて」サヨク・シミン的なものを否定し続けることで(積極的に右翼思想にコミットするというよりは、「『右』の敵(=「左」)」の敵を演じることで)共同性を得られたかるのように思えてしまうようなロマン主義的シニシズム

たとえばこのロマン主義的シニシズムなどというものはおよそ判別不能である。しかもサヨク・シミン的なもの(これが何であるにせよ)への否定が、否定ありきで論を構築したのか、何らかの意図ゆえに否定したのかも判別不能なはずである。(なんらかの情報がリークされない限り)

こうして考えると、例えばある「サヨク的」とされるブログなりが炎上したとして、そこに加担した人々はネット右翼と括られるところだが、中にはそのサヨクとは思想的に異なる別のサヨクが、内ゲバ風味に叩いていたとしても、傍から見ると「ネット右翼」となってしまう。ネット右翼であるためには、単にサヨクに反対していればいいのであるから。

さて、この定義からすると、問題点はすぐに見つかる。若隠居氏が、サヨク・シミン的であったか否かを考えるだけで十分である。

これにはもう一つの問題点が見て取れる。ネット右翼はラベリングとして使いづらくなってしまうのだ。ある時一度でもそういった炎上に加担し、それでネット右翼認定をしてしまったとして、次に別のときには(思想的理由にせよ、単なる気まぐれにせよ)炎上に対抗し鎮火活動に努めたとして、それでもネット右翼であり続けるのか?いや、そもそもある炎上が終わった後に、それでもネット右翼であり続けるのか?という問題がある。例えば本質的には左翼的思想を持っていても、炎上に加担しネット右翼とされることは十分考えられるのである。ネット右翼には思想背景は問われないのだから、普段左翼的思想であっても、その炎上するブログが気に入らなくて火をくべる可能性は十分ありうることだろう。そういった左翼思想を持ったネット右翼が、その炎上の現場を離れても、燃え尽きても、その後もネット右翼と呼ばれ続け得るのかが甚だ疑問である。まあ普段の言行から、あいつはネット右翼ではなく別の理由から叩いたと区別されることもありえようが。

結局のところネット右翼とは「祭りの参加者」くらいのことをしか意味しないのではなかろうか。炎上という現場を共有する間だけ、彼らはネット右翼であり、その祭りが終わったら各々の日常に戻ってゆくわけである。(対象となったブログとしてはたまったものではないが)こうしてみると炎上現場にしか現れない一部の人を除けば、ネット右翼であるという認定は余り意味を成さない。「過去に祭りに参加しました」という程度の意味にしかならないのであるから。もっともそうした緩やかな定義だからこそネット右翼は多数存在するし、それをそのまま「右」と考えるならネットは右傾化したと見えるのも当然であろう。

それが思想的右傾化と無関係なら、取り上げるべき問題でもないように思われるが。


関連して、サヨク・シミンに対する個人的異論と、小倉氏のエントリの続き「ソース主義」については次回以降で。
posted by князь Мышкин at 00:22| ドバイ 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | トラックバック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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