2005年08月19日

オーディエンスへの説明

さて、前々回あたりまでの話のなかで、ネットでの議論は最終的にオーディエンスからの評価を獲得せんとするものであるといった主張をした。今回はこれに若干の補足をしたい。

前回の繰り返しになるが、例えば公正中立聡明な第三者に評価を委ねるという論に対しては、ただちに次の問題が出てくる。「ではその人が公正中立聡明であることは、どうやって証明するのか」と。

ある事実をもって実証しようと試みるとする。その時にも言えることがある。「ではその事実が捏造や虚偽ではないと、どうやって証明するのか」と。

ある論理をもって論証を試みるとする。その時も同様である。「ではその論理が矛盾や不合理を含まないことを、どうやって証明するのか」と。

いずれにせよ最終的に多数の同意が不可欠である。見方を変えると、この世界には誰の同意も得られていないような真実もあり得るが、それは議論や何かとはあまり縁が無い。

これは、民主制の政治システムに似ている。基本的には最大多数の支持する政策(≒最善の政策)を採択する。この場合「誰にも示されておらず、支持もされていない最善策」などというものは採択されない。たとえそいういうものが存在するとしても、である。しかしシステム効率の都合上、選出された議員に政策を委ねるわけである。議員が支持されることで、間接的に政策が支持されるわけである。(もちろん実際には政策にも、議員の選挙にも少なからず問題があるわけだが、それはどのような政治システムにも言える事だろう。上記はあくまで理論値である。)

これは司法についても同じ事が言えるはずである。判決は法に従う国民全員、少なくともある案件の当事者全員が決定に参加し、最大多数の支持する判決を出すべきであろうが、そのような方法ではおよそいつまでたっても決着しない。ゆえに一定以上の評価を受けている代表者(裁判官)に判決を委ねるわけである。裁判官が中立公正だとされるのは、その裁判官を暗黙のうちに支持する人が多いということと無関係ではいられない。象徴的なのは国民審査であろう、文字通り国民によって支持、不支持を諮ることになる。

ところでこの間接的決定方法、これには直接的決定方法に比べ一つのメリットがある。門外漢のミスを抑制する効果が考えられるのである。政治や司法は利権が絡むゆえに一部のプロに全面的に委ねるわけにはゆかないが、単に真実性を求める学術研究などの場合を考えてみよう。この場合、多くの人間が唱える説を、特定の学者の説が覆すことも考えられる。というより、専門の話に多くの一般人はついていけないのが実情であろうか。

ここまでくると、評価する第三者を要請する場合もある程度判明してくるはずである。
参加者が多すぎて、集計できないような場合
議論が難解で、一般の参加者には判断が難しい場合
しかし、ネットのライトでポップな議論において上記の条件は発生しにくい。参加人数の限界には鯖が悲鳴を上げるなり、書き込みが多すぎて議論が成立しなくなったりするし、専門的な話の場は最初から素人お断りの空気が流れるし、それでも不具合のある高度な議論はネットではなく専門の集まりで行われる。

こうしたことから、ネットの場合は素朴にオーディエンスの支持がどれだけ得られるかということが一つの指標になるとするのが妥当ではなかろうか。参加者もそこまで多くなく、専門性もそこまで高くなく、ゆえに専門家に判定を委ねる理由はあまりなく、二度手間にしかならないと思われるのだ。
posted by князь Мышкин at 00:08| バンクーバー ☔| Comment(10) | TrackBack(0) | 匿名ネットワーク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
だから、仲良しこよしのお仲間で人のコメント欄でゴネ倒して「僕らが言うからお前は間違ってるのぉ!」なんて駄々っ子みたいな真似はやめなよ。
Posted by トニオ at 2005年08月19日 14:04
どうして当人のブログに当人の論理を支持してくれる人が居ないのか、の説明にはなりません
Posted by Мышкин at 2005年08月19日 18:23
はぁ?なに?ブログのコメント欄は多数決をとる場所なんでちゅかね?
当人の論理を支持してくれる人がいない、っていなきゃ駄目なの?
できたばっかのブログでも、「当人のブログに当人の論理を支持してくれる人が居ない」ってごねるの?
現に、今「当人のブログに当人の論理を支持してくれる人が居ない」のだけれど?
だいたいにして、君らの横のつながりを問題にしてるのに、それにすっとぼけるっていう議論のやり方はありなの?
君はいったい何を言ってるの?
Posted by トニオ at 2005年08月19日 20:47
最低限…オーディエンスの意味を理解してから発言いただきませんと…
Posted by Мышкин at 2005年08月20日 19:07
はぁ……
これだけ言われても問題は「オーディエンス」の意味なんだ……
君、馬鹿じゃん。途方もなく。
「どうして当人のブログに当人の論理を支持してくれる人が居ないのか、の説明にはなりません」ってだから、意味が分からないんだけど。
要は、ブログ一つにつき仲良しこよしでサークルでも作れってか?んなふうに、つるむ志向しかとれないからネット右翼なんて言われるの。分かる?
Posted by トニオ at 2005年08月20日 23:11
っていうか、このブログには誰も君に同意してくれる人のいない理由の説明にはなってないよね、それ。
それに中立性の話題が一切忘却のかなただよね。君ってさ、結論決め付けて議論してるよね。いったい、君はどういう恥知らずなのかね?
Posted by トニオ at 2005年08月20日 23:15
>っていうか、このブログには誰も君に同意してくれる人のいない理由の説明にはなってないよね、それ。

反対しているのも貴方一人で、コメントスクラム(笑)ということも起きていないわけですが…




…なるほど。貴方はコメントスクラム(笑)を組織的犯行と思っているようで。まあいいでしょう。
Posted by Мышкин at 2005年08月21日 00:50
>反対しているのも貴方一人で、コメントスクラム(笑)ということも起きていないわけですが…

異口同音なことしか言わない集団に対して、「当人のブログに当人の論理を支持してくれる人」は必ず支持してくれる味方でも作るしかない、っていう話なんだけれど……いちいち話の文脈を抜くなよ。

>貴方はコメントスクラム(笑)を組織的犯行と思っているようで

話聞いとるのかね?中立性の話は?だから、ここみたいに寂れたブログにボウフラみたいに人が湧くなんてことはありえないでしょう。公共的に宣伝されるわけでもないのにさ。ブログ伝いなどで広がる以上、ある種のバイアスはかかるに違いない、って分かる?傾向の違うブログ間は関係を絶してるわけだから。すくなくとも、傾向の違うブログが「イタいサイト」と紹介してるところに、そのブログ主、もしくは読者がわざわざ突っ込むかね?
くそ、なんでこんなことわざわざいちいち丁寧に解説してやらなきゃいかんのだ。
Posted by トニオ at 2005年08月21日 03:17
>ある種のバイアスはかかるに違いない、って分かる?

当然承知していますよ?しかし、それは「趣味思考によるバイアス」にすぎない。つまり、そのブログに書かれた内容に対する関心のある人間ばかりが集まるとういのが限界です。ゆえに…あるブログに賛同する者、或いは異論を唱えるものに限定的に広めることは不可能です。そんな中で、異論を唱える者ばかりが出没するということをどう説明するのか、という話です。

>異口同音なことしか言わない集団に対して、「当人のブログに当人の論理を支持してくれる人」は必ず支持してくれる味方でも作るしかない、っていう話なんだけれど……いちいち話の文脈を抜くなよ。

意味不明なのは貴方の方です。何ですか?その「集団」とは。とりあえず共通項が無いという事を私は示したはずですが。反駁してからどうぞ、と本来なら言いたいところですが、その前に国語のお勉強をなさってからどうぞ。
Posted by Мышкин at 2005年08月21日 04:28
>ゆえに…あるブログに賛同する者、或いは異論を唱えるものに限定的に広めることは不可能です。

結論に至るまでの過程がまったく無くて意味が不明なんですよ?分かります?

で、サイバーカスケードって知ってますか?
http://ised.glocom.jp/keyword/サイバーカスケード
貴方の言ってることで中立性の証明がまったくないこと分かってやってるんですか?
それじゃあ、いつまでも「俺が言ってるから。そう!」にしかなんないでしょう。
Posted by トニオ at 2005年08月21日 17:25
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